待ち人、勝手に来る。

午前中にシザーケースを手縫いして出荷し、午後いそいで職人さんを訪ねる。到着したら「こりゃ大変だ。死ぬんじゃないのか?いつご飯食べてるんだ。」と言われる。一体誰のことを指しているのかわからない。きっと、「こりゃ大変だ」は職人さん自身の仕事が大変ということで、あとは私に向けられた言葉だと思う。途中、型紙とサンプルとこれまでの苦労話をしながら「これどうする?お茶飲んでないじゃないか。一服したらいいよ。それで、これどうする?」と言われ、きっとお茶を飲みながら話せばいいよということだろうと推測して、お茶をいただく。たくさんの無理を聞いてくださっていることも重々承知しているのだが、一流の人というのは、この職人さんをはじめ皆驚くほどに謙虚だとしみじみ思う。そして、とてもほのぼのとしている。「俺の携帯、7年も使っているんだけど、メールなんて来ないよ。だれもメールくれないよ。」とおっしゃるので、僭越ながら、ご自分のメールアドレスをご存知か訪ねてみると「それどうやればわかるの?」と返ってきた。

私が足を運ぶ都度、いつも質問されることがある。「どうやってここに辿り着いたんだ?どうやって俺を見つけたんだ?」告知なしでもやってくるのが私で、そういう来客は携帯メールと同じくらい無いらしい。そんな私の存在を迷惑メールのように切り捨てる事もできただろうに。本当に有難い。