物と時間。

修理は仕事にしていないのですが、このベルトは仕事ではなく、個人的にお受けしましたので、ちょっとだけメモを。

1生きていると愛別離苦からは誰も逃れることはできないものなのですよね・・・。いつも顔を合わせてニッコリ微笑んだり挨拶したり、そんな情緒の交換がふと振り返ればとても貴重なものだと気づく瞬間が多くありますが、ご家族等、近しい方となればその喪失感はとても大きなものだと思います。

物もまた同じく寄り添い、お気に入りであればあるほど、傷みやすいもの。その再生が癒しに繋がることもまたあるのかもしれません。そんな愛着のあるお品物をお預かりして、仕事が終わった後のアトリエで向き合いました。

2傷んだ箇所を取り外して新しい革を剥ぎ、上から染料をいれ、裁断面のコバにはロウを塗って熱を入れていきます。

最後に全体を磨いて完成しましたが、物に時が足されると、ことばにできない不思議な感覚に包まれるものだな・・・と思います。