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加水分解

たまに革以外の素材を検討する必要が生じて、素材を調べることがあります。つい先日も、打ち合わせでそんな機会がありました。

バッグでは、裏地を布やナイロンにして組み合わせることが多くあります。例えば、デュ・カリテなどのバッグの内側は、シャンタンを使用しており、これまで問題が生じた事は一度もありません。しかし、たまにお手持ちのバッグで裏地がドロドロになってしまったというお話や、修理できませんか?とご質問いただくこともあります。

外側が牛革でお気に入りのデザインの場合、裏地が駄目になると残念だろうなぁと思い、個人的に合皮の劣化について調べてみたり、メーカーに問い合わせたりすることがあります。お話を伺っていると、業界ごとに使う用語や表現が異なることも多くて、合皮やビニール、レザーと呼ばれていても、何を差すか違うことがあるようです。

ドロドロについては、どうやら「加水分解」が原因のようです。
ソファ等、革のように見える素材には、「塩ビ(PVC樹脂)」と「ポリウレタン(PUレザー)」があるそうですが、前者は硬くなってボロボロになる場合があり、後者は反対にドロドロ・ベタベタになることがあるそうで、これを防ぐために各メーカーで研究開発して良い素材を生みだしているそうです。

このドロドロは、加水分解と呼ばれる現象で、水で樹脂が分解されてしまった状態。海外製のものによく起こると説明を受けました。

一方、PVCの場合は柔らかさを保つために、可塑剤というものを入れたりと工夫しているそうですが、常に油が飛び散るような飲食店ではそれが抜けてしまうことがある様子。油がついても可塑性が保たれるものも展開なさっているそうです。

合皮と一般的に呼んでいても、材質の違いで特性が変わるようですね。こぼれMEMOでした。