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足るを知る

朝からアトリエで職人さんとミシンや道具を触る。アトリエにあるミシンの中で相互送りの腕ミシン(時々部品をつけて平ミシンにして使用)があるのだが、私はこれに無理矢理バインダーというミシン専用の工具を特注して取付けており、それを別のミシンにも取付けられるようにするために職人さんにお知恵を拝借。平ミシンのドブ板(ミシンのパーツの俗称です)を削る必要があったので、他にも色々とアドバイスをいただきながら、何気なく一言、「これダブル釜なんですよ~。」とボビンを見せたら、急に職人さんの目の色が変わる。「え、これ17番のミシンでダブル釜なのかい?」と熱くなっている。そしてそのあと別の相談をしてネジを締め直したり、革漉き機をグラインダーで火花を散らしながら研いだあともまた「ダブル釜かぁ...」とため息まじりに言っている。

職人さんはミシンを何台も所有しているというのに、私と同じタイプのミシンが欲しくなったんだとわかったのはそのあと二人で食事していたとき。さらに食事から戻って、私がオリジナルで注文した焼印の機械(手で焼印プレスできる道具)を見て、どこで買えるのかまた聞かれ、あまりの安さにビックリしている。職人さんが目をつけるところは本当に面白い。「おい、このモーターだけで何十万もするぞ!」「この焼印は深く作り込んであるな」「このバインダーは鉄だから、これを作るプロに頼んだだろう?」まさか、私が職人さんの欲しい物を幾つも持っているとは知らなかった。8年前ぐらいからコツコツと増やしてきた道具は、奇跡的に職人さんから見ても良いものばかりだったようだ。

そうです。あとは「腕」が重要なのです。