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どこがゼロ地点か。

午後から銀座でバッグブランドのプレゼンテーションを見て、その足で浅草へ。職人さんと待ち合わせてお茶をする。不足していた製品を受け取って、別のアイテムのサンプルについて話し合い、雑談。最近の私たちの会話は、MADE IN JAPANと職人の継承者問題と、革業界についてが多い。そんな中に小さなヒントが幾つも転がっており、ハッとさせられることもたくさんある。

2日前にこの職人さんから、あるアイテムを数百個収めていただいた。最初の5個くらいのうちにしつこく検品をさせてもらって、細かい所まで指摘。大丈夫だと確信できてから数百個作ってもらうのだが、職人さんだけでなく、生地も革も一旦アトリエに取り寄せるか、もしくは私が出向くかして、この目で材料を確かめてからGOサインを出すようにしている。こうなるまでには幾つかの失敗もあったのだけど、だからこそエイジングでは出来上がった品物も全品検査することにしている。そのため、生地の裁断屋さんも慎重で、「色が微妙に違う気がするので見て欲しい」と連絡をいただいたりする。行ってみると実際には同じ色なのだが、このくらいの危機感を持っていただくことがとても大切なので、本当にありがたいことだと毎回感じている。きっと最初は職人さんもエイジングのことをうるさいと思ったはずなのだが、こちらはその姿勢を強くすることはあっても軟化することはないと解ってくださったようだ。今回数百個のうちにネームが2個だけ裏返っているものがあって修正をお願いしたとき、こうおっしゃった。「居眠りしてないかテストするために、わざと裏返したんだよ!」この物言い、さすが素敵な江戸っ子。私も負けていられない!