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「丸投げ」で何が問われるか。

今朝の新聞の一面は、民間工事の「丸投げ」規制について。たしかに消費者は大手ゼネコンの名前を信用して住宅を購入するのが普通だろうし、丸投げの事実を知らないことが多いんじゃないだろうか。これはどの業界にも共通して言える部分があるように思う。ちょうど昨日、パンフ盗用の記事も目にしたけれど、パンフレットを配った観光協会は広告代理店に制作を一任していた訳だし、エレベータ事件も保守管理は外部。出版社も編プロに仕事を丸投げというのもよく耳にするし、製造業にも下請けが存在する。たしかに人の手が増えるほど、その責任の所在というものはあいまいになってくるし、問題が起こった時に責任転嫁が起こったりもするけれど、良い仕事をするためには多くの人の手を借りることが大切な場面もあるだろう。

業界の人にとってこの規制はどう影響するんだろうか。これからは、丸投げを禁止する物件と、禁止はしないが実際の施工業者の情報開示義務を課す物件に別れるとのこと。これは大手が中小業者に仕事を回してまで仕事を受けなくなるという見方の他に、中小業者の名前を開示することによって契約者と中小業者が直接契約してお互いの収益性が高まるという見方もある。

大手の信用=ブランド力の本質と、中小業者の技術力が同時に問われているように思えてならないが、これが合わさると偽オマージュになったりして怖い。モラルや誠実な仕事というものが、すべての出発点であることを願いたいものだ。